【FDAの承認状況から考える】CRAのキャリアプラン!!

こんにちは。現役CRAのなーとし(@naaaaaaato2018)です。

さて今回は、FDAの承認状況から考える、CRAのキャリアプランについて、お話したいと思います。

なーとし
なーとし

未経験者や経験の浅い方にも分かりやすいように、お話していきます!

FDAとは?

 

FDAとは、Food and Drug Administrationの略であり、アメリカにおける医薬品の認可を担う政府機関です。

大雑把に言うと、『アメリカで医薬品を売るためには、FDAに書類を提出して認めてもらう必要がある』ということです。

世界最高の医療支出国であるアメリカの医薬品認可を請け負っているため、FDAの動向は注目度が高いです。

また、アメリカの医薬品市場規模の大きさゆえ、多くの製薬企業が優先的にアメリカで承認を得たいと考えるのは自然な流れだと思います。

したがってFDAの動向は、製薬企業の今後の方針にも大きく影響を与えます。

FDAは、2018年1月1日~2018年11月30日までに承認した新規成分(NME: New Molecular Entity)55品目に関して、以下の点を取り上げています。

42品目が優先審査(Priority Review)の対象となった製品であり、これは直近5年間の平均数(20品目/年)を大きく上回る
31品目がオーファンドラッグ (Orphan Drug)であり、オーファンドラッグが新規成分の半数を超えたのは、今回が初めてである。
・これまでは抗がん剤が多くの割合を占めていたが、様々な疾患に対する治療薬が承認された。

これによって、「新規成分を承認する際は、優先審査対象製品とオーファンドラッグに注力します」というメッセージがFDAより打ち出されたことになります。

(補足)優先審査とは?

新薬の開発と承認には非常に長い時間がかかります。

そこでFDAは以下のプログラムを設け、新薬を患者さんに迅速に届けられるよう工夫しています。

・ファストトラック (Fast track)
・画期的治療薬 (Breakthrough therapy)
・迅速承認 (Accelerated approval)
・優先審査 (Priority review)

その中の1つである『優先審査』とは、『特に効果的な新薬に対しては、FDAの承認審査を6ヶ月以内に優先的に行う』ことを指します。
(通常の審査は10ヶ月以内です。)

FDAのプログラムについては、「医薬品の承認と適応(外部リンク)」内で分かりやすく書かれていますので、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

CRAのキャリア形成におススメなのは、『がん・神経・血液』領域

こちらでは、以下のTweet内容を詳しく説明していきたいと思います。

上記Tweetでもお伝えしているように、僕がCRAにおススメしている疾患領域は

・Oncology:がん領域
・Neurology:神経領域
・Hematology:血液領域

になります。

おススメ理由①:FDAのブレークスルーセラピー申請が多く出されている領域だから

先ほど紹介した『優先審査』と同様に、『ブレークスルーセラピー』もFDAが迅速に医薬品が承認できるように作られたプログラムです。

『ブレークスルーセラピー』とは、『重い疾患に対して、既存薬よりも著しく効果が見られた薬剤の開発と審査が迅速化される』プログラムです。

以下の図は、2012年~2018年に、企業がFDAに対して『ブレークスルーセラピー』を申請した領域の内訳です。


(「CDER New Drugs Program: 2018 Update」より引用。)

まさに、『Oncology, Hematology, Neurology』がTOP3を占めていることが分かります。

例えば、高血圧や糖尿病は薬剤でかなりコントロールできるようになったため、『ブレークスルーセラピー』に申請するのは難しくなっています。

逆に、まだ薬剤でのコントロールが難しい疾患は、『ブレークスルーセラピー』への申請がしやすいです。

言い換えると、『ブレークスルーセラピー』へ多く申請されている疾患領域は、アンメットメディカルニーズ (Unmet Medical Nedds)であり、今後も新薬開発が期待される領域になります。

『開発が期待される領域』=『専門的なCRAのニーズも高い領域』ということができます。

余談ですが、2018年のFDA状況を「2018 New Drug Therapy Approvals – FDA」から確認したところ、やはり『ブレークスルーセラピー』に認定された全ての薬剤は、『優先審査』も認定されていました。

おススメ理由②:中核病院や大学病院を担当することが多くなるから

上記の疾患領域の治験は、専門医がいる中核病院や大学病院で行われることが多いです。

そして、一概には言えませんが、一般的にCRAが担当病院の難易度は以下の順番に高くなります。

クリニック<市民病院<中核病院≒大学病院

その理由は様々ですが、

・より多くのスタッフが関わるため、病院の連絡体制に精通するのが難しい
・時間的に余裕がない方が多いため、短時間で要件を伝える必要がある

ことが挙げられます。

その中で、

・伝えるべきことを伝える
・やってもらうべきことをやってもらう

ためには、相手への接し方や話し方が効率的であることは絶対ですし、ある程度経験がものを言うところでもあります。

そのため、疾患領域を問わず、中核病院や大学病院を担当するとCRAとして箔がつきます。
(先ほどの3領域を担当すると、上記病院を担当できる可能性が高まるというお話です。)

シニアCRAや、プロジェクトマネジメント、プロジェクトリードに昇格するためには、中核病院や大学病院のような難しい病院を上手くマネジメントできる力は必須になります。

おススメ理由③:経験者が優遇されやすい領域だから

『Oncology, Hematology, Neurology』の試験にアサインされる時に、こんな要項が記載されていることがあります。

〇〇領域経験△年以上

上記の領域は病院マネジメントの難しさに加え、疾患自体が難しいということもあり、経験者を試験に優先的にアサインする傾向があります。

裏を返すと、未経験者はアサインされづらい領域であるため、入れるタイミングを逃さないことが大事です。

また、当然転職サイトの求人でも、『Oncology, Hematology, Neurology』の案件は多いです。

転職の求人も同様に、『Oncology経験〇年以上』が必須要件として入っていることも多いです。

将来的に転職を考える人にとっては、キャリアの幅を拡げるためにも、上記領域を担当した経験は確実に得ておく必要があると思います。

他の疾患領域担当ではキャリアアップできないの?

ここまでお話してくると、こんな疑問を持つ方も多いと思います。

他の疾患領域担当では、CRAとしてキャリアアップはできないの!?

もちろん、そんなことはありません。

例えば、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、疼痛薬の治験は、Virtual Trialの導入が積極的に行われ始めています。

そこから得られる知見は、必ず他の疾患領域を担当する際に活かすことができます。

『Oncology, Hematology, Neurology』領域でも今後Virtual Trialは導入されると思いますが、その際に『Virtual Trial実施時に、起こりやすい問題を知っている』という力はとても大きな武器になります。

Virtual Trialについて詳しく知りたい方は、「Virtual Trial (バーチャル治験)とは?~メリットデメリットから事例紹介まで~」の記事をご覧ください。

また、この考え方は「【キャリアに悩む方必見】キャリアアップをするために、考えておきたい3つの視点」の記事で言う、円周方向の展開にあたります。

但し、現職CRAの方が『Oncology, Neurology, Hematology』の領域を志望されているにも関わらず、

・そもそも自社が上記領域を開発していない
・領域経験者が優先的にアサインされ続けて、未経験者はアサインされない状況が続いている

という場合は、望みがかなり薄いので、転職も視野にいれるべきと思います。

とはいえ、いきなり転職は大きな決断なので、後者の方はまずこちらのステップを試してみるとよいと思います。

①:「【臨床開発職志望者向け】CRA職を目指す際に求められる能力5選」に書かれている能力に関して、ご自身の力が十分備わっていることを、これまでの実績で証明する。

②:チーム内で最新のニュースなどを積極的に発信し、情報提供を行う。
(その際に、ご自身が希望する疾患領域の話を扱うこと。さらに、ご自身のコメントを追記できると尚良いです。)

③:①と②の実績をベースに、希望疾患領域へアサインしてもらえるよう、上司へ打診する

まさに僕がこの手順で、未経験者からでもOncology領域担当になれたので、ぜひ積極的に行ってみてください。

それでも難しい方、いち早く希望の疾患領域を担当したい方、そもそも自社で希望領域を開発していない方は、やはり転職を視野に入れるしかないと思います。

転職エージェントと話をすると、心のモヤモヤがスッキリすることがあるので、キャリアに悩んでいる方はぜひお試しください。

・将来のキャリアに悩む方向け⇒「【新人/若手社員向け】効率的に将来のキャリアプランを考える方法

・どこの転職サイトがいいか分からない方向け⇒「【医薬品業界/3分でわかる】転職活動準備は最大のリスクヘッジ!求人を網羅するためのおススメ転職サイト3選

まとめ

いかがでしたでしょうか?

FDAの承認状況から、今後もCRAの需要が増える領域として、『Oncology, Neurology, Hematology』を挙げました。

そして、上記領域の担当者の市場価値が上がりやすい理由と、担当者になるための方法についても、紹介してきました。

勿論、上記領域に関与できればいいですが、自社の状況によっては、上手くもいかないことも多いと多いと思います。

しかし、それを悲観する必要はないです。

疾患が異なるだけで医師の考え方が全然違うことを学べますし、Virtual Trialに繋がる知見を得られることもあります。

現時点では『Oncology, CNS, Hematology』領域を担当していなくても、他領域の知見を最大限に得てくるスタンスで働けば、結果は付いてくると思います。

もし現状に不満があったり、心がモヤモヤしているのであれば、一度転職エージェントと話をしてもいいと思います。

この記事が悩み解消の一助になれば幸いです。

ではではまた〜。

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