こんにちは。なーとし(@naaaaaaato2018)です。
有難いことに、多くの就活生から質問箱経由で質問を頂いております。
TwitterのDMで、さらに細かく質問を受けることも多いのですが、その際に一番よく聞かれるのが、
「臨床開発職を目指すなら、製薬企業とCROどっちがいいんですか?」
という質問です。
ということで今回は、「僕はなぜ製薬会社ではなく、CROを選んだのか」について、就活生の頃を思い出しながら、つらつら書いていこうと思います。
【PR】医薬品業界への就職・転職を希望する方は、「【医薬品業界志望者向け】就活で内定を獲得するためのガイドライン」の記事も合わせてご覧ください。 上記記事内で、僕がどんなことを考えながら、就活を突破したのか詳しく解説しています。 また、将来製薬メーカーへの転職も考えている方は、「【臨床開発職】CROのCRAが製薬メーカーに内定獲得した方法」の記事もご覧ください。 |
(注意)完全な私見です。正解は人それぞれ違いますので、話半分で聞いてください。
また、「本当はCROの方が関心度が高いのに、みんなが製薬会社(メーカー)の方がいいっていうから悩んでる」人を応援する記事でもあります。(ポジショントークになっているのは、ご了承ください。)
僕の就活実績を振り返る
そもそもどんな会社を受けていたかを、振り返ろうと思います。
(既に記憶が朧げなのですが、だいたいこんな感じです。)
■内資製薬の研究職:6社 ■外資製薬の開発職:2社 ■CRO:2社 ■外資系コンサルティング会社:2社 |
応募の様子を見て頂ければお分かり頂けるかと思いますが、元は製薬会社の研究職志望でした。
就活中に各社の先輩社員の話を聞いたり、自問自答を繰り返した結果、就活当初一番希望していた職種を辞退するという何ともトホホな就活でした。
(この経緯についても、いつか記事にするかもしれません。)
研究職の最終面接当日も、モヤモヤした気持ちで受けていたことを思い出します。
ただ、その中で、「最終面接に出てくる役員に好かれそうなキャラ設定」で行くと最終面接に通り、「現場社員に好かれそうなキャラ設定」で行くと最終面接に落ちるという知見が得られたのは、とてもよかったです。
(以下は僕の体験談です。笑)
ある製薬大手の研究職の面接であった事例紹介
一次面接(現場研究員+人事)の評価:Sランクで、ぜひ一緒に働きたい!幹部に強く推薦します!
最終面接(本部長以上がズラリ)の評価:そんな尖ってると社内で上手くやれないよ?
→結果:お祈り笑
学び:現場と上の乖離を痛感+おじ様には優しくした方がいい
— なーとし@お薬開発 (@naaaaaaato2018) 2019年1月18日
外資製薬の開発職も2社受けましたが、2~3次面接あたりで落ちました。
(周囲の人が開発職を受けるというので、不安になった僕も受けることにしました。本気度も低く、得られるものが多くなかったのは言うまでもありません。)
周りの同調圧力に負けないように応援する記事を書いている人が、当時は同調圧力に負けているというしょうもない話です。。。
すいません。話が脱線しましたね。
研究職第一志望であった就活当時は、全落ちする可能性もあったわけですので、第二志望を決めねばなりませんでした。
「医薬品に関わりたい&科学楽しい」が軸にあった僕にとって、次点の希望職種は開発職になりました。
(今ではMSLも新卒採用で出ていますが、当時は研究or開発orMRって感じでした。)
そこで直面する問題は、
「開発をやるなら、製薬会社か?CROか?」
です。
ここからは、当時の僕は何を思い、医薬品開発するならCROだと判断したのかをお話します。
CROを選んだ理由1:現場感を養うため
僕が求めたのは、「現場感」を養える環境でした。
この思いが強くなったのは、現場を離れてマネジメントや承認申請業務に忙殺されている人からのアドバイスが、的外れで机上の空論に過ぎないと感じた経験があったからです。
この経験から、「現場で実行可能な解決策を提示できる人材」になりたいと思いました。
そこで、臨床開発の世界で一番現場感を養えるのは、CROでCRAをすることだと判断しました。
というのも、製薬会社では入社後、比較的早い段階でマネジメント職への移行、各部署と連携しながら治験薬の承認申請を目指すという理解でいたからです。
(実際は会社ごとに異なるので、就活生の皆さまはよく確認してくださいね。)
もちろん製薬会社に入っても、CRAでキャリアをスタートするケースはあります。
ですが、自社のパイプラインに縛られるよりも、多くの会社から依頼された様々な疾患に対する治験薬に触れた方が現場感の獲得は早いと思いました。
蛇足ですが、僕は現場感を以下のように捉えています。
自分の中でぼんやりとしていた「現場感」という言葉の正体が、「物事を捉える時の解像度の高さ」なんじゃないかと思い始めた。
そして、解像度高く物事を捉えるには、現場で生の姿を見て、経験して、その様子が手に取るように分かることが必要なんじゃないだろうか。
— なーとし@お薬開発 (@naaaaaaato2018) 2019年6月4日
例えば、カレー作りをよく知ってる人は「スーパーで売ってる野菜の色や形を見て、具材の見極めから入る」けど、カレー作りを聞いたことがある人は、「野菜を買って、ルーに煮込めばOK」となる。
だから、美味しいカレー作ろうとすると、「なんでこんな色の悪い野菜買ってきたのさ!」って怒られる。
— なーとし@お薬開発 (@naaaaaaato2018) 2019年6月4日
結局は、1つの事象をどこまで繊細に見ているかなんだけど、繊細さは外的環境による力がないと気付けないことも多い。
現場感を養える環境は、その外的環境を意味してるのではないだろうか。
カレーの例え話は、仕事にも置き換えられると思う。
相手と話が噛み合わない時は、見えてる世界が違うから?— なーとし@お薬開発 (@naaaaaaato2018) 2019年6月4日
仕事で現場感を養うには、やはり最前線で動くことが重要で、どんな思惑で関係者が動いているかをつぶさに観察し続ける必要があるんだなと思った。
コンサルと現場社員の間にある溝は、解像度の違いによる部分も大きそう。
(コンサルを否定する気は全くないし、むしろ何度もいこうと考えた。笑)
— なーとし@お薬開発 (@naaaaaaato2018) 2019年6月4日
CROを選んだ理由2:学生時は将来の医薬品市場の予測が難しかったため
僕が学生の頃って、今よりも情報を得るのが難しかったんです。
(自分が情報の取り方を知らなかっただけの説もあるけど。。。)
なので、将来の医薬品市場がどうなっていくか判断できませんでした。
「今後伸びるのはCRO業界!?」でも書いていますが、製薬会社の収益モデルは基本一本道です。
例えばギリアド社が革新的なHCV治療薬を開発して以降、HCVは治る疾患へとイメージが変わりました。 勿論、これは素晴らしいことで、各製薬会社が目指す世界だと思います。 ですがその一方で、HCV治療薬市場は縮小し、ギリアド社は次なる一手を打つ必要に迫られました。 |
このように革新的な新薬が出現することで、数年以内に市場が縮小する可能性があるわけです。
それに加え、新薬開発の難化もあり、当時から製薬会社の早期退職は時間の問題なのかなーと思っていました。
(実際に、2018年後半あたりから早期退職の募集が多く見られました。)
製薬会社が利益を出しにくくなった影響は、必ずCRO業界にもダメージを与えますが、多少は時間差があるのではないかと予測しました。
ここの論理は少し入り組むのですが、当時から既に多くの製薬会社は、CRO無しで治験を実施するのは難しい状況であった(=既に内部の開発部門は縮小し、アウトソーシングという形でコストカットしていた)ため、製薬会社内の開発以外の部門へのアクション(早期退職募集など)が先に起きるという推測です。
上記のように考えた背景もあり、
①医薬品開発のトレンドを知る環境が必要だった
②市場の変化を見たうえで、身の振り方を考えることができる
と考えて、CROの方がいいかなと思いました。
CROを選んだ理由3:いち早く転職できる状況にしたかったため
上でもお話したように、医薬品業界では何が起きるか分からないので、できるだけ早く転職できる状態になっておきたいと思っていました。
それを考えると、CRAに特化してでも、早い段階で武器を1つ持っておいた方が、会社を飛び出しやすいはずだと思ったのです。
勿論、ある程度の期間以上仕事を続けていれば、製薬会社でもCROでも、転職できるようなスキルを身につけることができます。
しかし、新卒入社後からできる限り早く転職できる状態を目指すという点においては、CRA業務に特化するCROの方が良いのかなと思ったわけです。
(ですので、1社で長期間働きたいと思う人は、幅広い経験を積める可能性が上がるので、製薬会社の方がいいかもしれません。)
今後は製薬会社の開発に行きたいか?
臨床企画やBD職に関心はあるので、製薬会社(メーカー)への興味はあります。
(私と同じように上記2職種に興味のある方は、「【新人/若手社員向け】効率的に将来のキャリアプランを考える方法」の記事をご覧ください。簡単にですが、説明しています。)
ですが、上記職へ就くには自分の経験値が足りないので、どこの会社にいようと、まだ時間を要するんです。
となると、たまに不満はありますが(笑)、基本的には楽しく仕事していますので、現職に対する不満が非常に大きくなるか、自身の実績に対する評価が低いなと感じない限りは、現時点で転職をするつもりはありません。
(大手のCROであれば、プロトコルの作成を含め、医薬品開発に必要なほぼ全ての仕事ができるので、キャリアへの制限はあまりないのです。)
但し、一貫してお伝えしている通り、医薬品業界では何が起こるか分かりませんので、いつでも転職できるように常に準備はしているという状況です。
(私がメインで使っている転職サイトは「【医薬品業界/3分でわかる】転職活動準備は最大のリスクヘッジ!求人を網羅するためのおススメ転職サイト3選」の記事をご覧ください。)
製薬会社(メーカー)ではなく、CROを選ぶ際の注意点
CROは受諾機関なので、受け身で仕事をしていても、無難に仕事をこなすことができます。
ですが、受け身で仕事をするのだけは絶対にやめてください!!
製薬会社で働く人は、色んな事案を決定している一方で、CRO側は最悪製薬会社の決定に従って仕事をしても、仕事は回ります。
しかしそんな姿勢で仕事をしていると、当初の目的である「いち早く転職できるような状態」は得られないでしょう。
この辺のマインドの問題は、「今後CRO業界で生き残るために必須な思考転換」の記事に詳しく書いているので、ご覧ください。
(このマインドを持つと、製薬会社側の人間とも対等にディスカッションができるようになることを身をもって証明してきました。)
この記事を読むことで、CROでのキャリアを踏み出す人が増えると幸いです!!
ではではまた~~
【PR】医薬品業界への就職・転職を希望する方は、「【医薬品業界志望者向け】就活で内定を獲得するためのガイドライン」の記事も合わせてご覧ください。 上記記事内で、僕がどんなことを考えながら、就活を突破したのか詳しく解説しています。 また、将来製薬メーカーへの転職も考えている方は、「【臨床開発職】CROのCRAが製薬メーカーに内定獲得した方法」の記事もご覧ください。 |
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