こんにちは。
ちきりんさんのブログは以前から拝見させて頂いていたのですが、自分の考え方の変化もあり、「マーケット感覚を身につけよう」を手に取ったところ、内容が刺さったので感想を書いてみようと思った次第でございます。
学生時代を振り返ると、「論理的思考力最強!!」とか思ってましたが、社会に出てみると思っていた以上に利益にシビアな環境で、「考えが甘かったなぁ」と思っていました。
そんな折に、帯にこんなことが書いてありました。
論理的思考と対になる力を教えます!
そして、裏帯にはこう書かれていました。
すべては「価値」から始まる!
今、「価値を認識する力」の二極化が進んでいます。すばらしい学歴や職歴に加え、難関資格から専門知識まで持ちながら、不安から逃れられない人がいるのに、その一方で、ずっと少ないものしか持っていないのに、「なんとかなる」「なんとでもなる」という自信とともに、世の中をわたっていける人もいます。この両者の違いがまさに「売れるものに気がつく能力」であり、「価値を認識する能力」の差なのです。本書ではこの能力を、「マーケット感覚」と命名しています。
かっこいいですね。私はかっこいい言葉が大好きなんです。
すぐに買いました笑
「論理的思考力だけでは、この世界ではうまく生きられないかもしれない」と思っていた自分にとっては、非常にタメになる本でしたので、紹介いたします!!
(自分の論理的思考力が完璧とは言ってません笑)
論理的思考では導き出せなかった何かが分かった
「今後伸びるのはCRO業界!?」の記事で、「サービス業は幅広い可能性を有している」と書いているのですが、自身で医療業界におけるサービス業の可能性を考えているうちに、論理的思考だけでは辿り着きにくい顧客層がいるということに薄々気づいていました。
(書籍内では、論理的思考のみで顧客層を洗い出すのが難しい例として、「ANAの競合を洗い出してください。」という問題を出していますので、ぜひ考えてみてください。)
しかし、それがどうしてなのかをうまく説明することができなかったのです。
そしてそれが、「マーケット感覚」という言葉なのだと理解することができました。
これは私自身の感想ですが、「ペルソナの設定」に非常に近しいものだと感じます。
ペルソナとは、想定された自身のサービスや商品を使う人を指します。
(例:○○というサービスを提供する際には、△△という状況で××が好みな女性である。)
商品・サービスの利益率を高めるうえで、最適なペルソナを設定することは非常に重要です。
マーケット感覚を磨き上げることで、ペルソナを設定する上での精度が高まり、自身が提供する商品・サービスの価値を最も高くすることができる(コスト積み上げ方式で値段を設定しない)のだと思いました。
例えば私は、「予防薬の市場規模から考える、製薬会社が予防医療へ参入しにくい理由」の記事で、Anti-Agingのサプリメントの市場規模の推定を行っているんですが、これは論理的思考力の側面でしか考えていないんですよね。
ここで「マーケット感覚」を自分が持っていれば、「退職後に暇を持て余した方が、学生時代にやっていたスポーツ(テニスとか)を再開したら、全然体が動かなかった。スポーツを継続するとともに、体の身体機能を多少でも回復できるようなサプリがあったらいいなぁ。」という層へのアプローチ(値段設定、訴求の仕方、サプリ効果の検討)はどうするとか、考えていたのかなと思いました。
価値とは何か?について深く考えるキッカケになった
市場は価値を交換する場であることを改めて認識しました。
当たり前だろ!って思う方も多いと思います。
そういう方は、書籍内に書かれていたこの問いを考えてみてください。(問いの内容は一部改変、要約しています。)
時:江戸時代
問:米の売り手が1人だった際に、米の在庫が余っていれば、米は安く売られるのか?同様に、米をスイカに置き換えた際、同じ結論に至るのか。
解答は書籍で確認して頂きたいのですが、この解説を読むと「市場で取引されている価値」、「商品・サービスが提供している価値」について、以前よりも深く考えることができるようになります。
マーケット感覚を身につける上で、価値を正しく認識することが第一歩だと思いました。
また、キャリアを形成するうえでも、マーケット感覚が非常に重要だと学びました。
「【初めての転職希望者向け】転職の流れを分かりやすく説明します」の記事で、面接通過のためにはアピールポイントが重要である旨お伝えしておりますが、上質なアピールポイントを作成するうえで、転職市場での自分の価値を客観視することは非常に重要です。
転職市場も当然、需要と供給のバランスが採用人数や年収を決める要因になります。
需要と供給を考える際、「市場ですべてが決まるのか」、それとも「市場外の要因(規制等)で決まるのか」を考慮することも、転職の時期や職種を決めるうえで重要です。
「【転職のススメ?】研究開発者が流動的に動く未来」でも書いておりますが、昨今の研究開発者の流動性は高まってきていますので、需要供給バランスに関しては要注意だと思います。
最後に(質問事項を確認しましょう)
「需要と供給はそれぞれどのように決まっているか理解しているか?」
「本当に自分の頭で考えたうえで、○○(英語、プログラミング等)の勉強をしているのか?周りから勧められたからという理由で、何となく勉強していないか?」
「ひとつの分野にこだわり続けるより、需要が増える分野を見極め、素早く移動する方が有用な場合も多いのではないか?」
上記のうち、1つでもドキッっとした質問があれば、この本を読む価値はあると思っています。
今回の書評では触れていませんが、書籍後半では「マーケット感覚を鍛える5つの方法」が書いてあるので、ぜひ読んでみてくださいね!!おすすめです!!
そういえば、ちきりんさんはブログでも最後に「そんじゃーね!」と書いてあるんですが、これが絶妙に柔らかいというかなんというか、私のお気に入りの言葉です笑。
蛇足でした笑
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