【転職のススメ?】研究開発者が流動的に動く未来

こんにちは。

さて今回は、(製薬関連の)研究開発者が、より流動的に動いていく未来がくるということについて、お話していきたいと思います。

以下、3行まとめです。

・業界全体として、自己完結型から分業型へ移行している
・自分のRoleを変えるには、規模のある製薬企業に行く必要がある
・ベンチャー界隈では、PJ終了後に別のベンチャーへ転職することが当たり前になる

それでは、さっそくまいりましょう。

自己完結型から分業型へのシフト

まず、新薬ができるまでの流れを確認します。

これまで(10年前くらい?)は、製薬企業が上図のフローを全て担っていました。

自社の研究部門が化合物を作成し、自社の開発部門が臨床試験を行い、自社のMRが医師への情報提供を行い、利益を上げてきました。

すなわち、自社内で全てのフローが解決していたことになります。

しかし近年、その流れは大きく変わってきています。

創薬研究:大手製薬企業の開発品目を確認すると、自社開発品の数は少なく、導入品(ベンチャーから買取)が多くを占めていることが分かります。
(特にメガファーマの上市した薬剤のうち、約8割が導入品でした。こちらについては、「今後の医薬品業界は(創薬)ベンチャーと(商社化した)メガファーマが増えていく!?」の記事をご覧ください。)

開発(臨床試験):実質のモニタリング業務(臨床開発のコアとなる部分)はCROに委託している製薬企業が多いのが実情です。プロトコルの作成や、マネジメントは製薬企業が担うケースもありますが、ほぼ全ての業務をCROに委託するケースも多くなっています

販売(MR):製薬企業がこれまで切り開いてきた販売網があるため、ここは引き続き自社で行う可能性が非常に高いです。しかし、インターネットの発達により、これまでのような数と頻度で攻める戦略ではなくなってきたため、MRは大幅な人員削減の対象となっているのが現状です。
(販売=MRというと語弊がありますが、MRの的確な情報提供が医薬品の使用に大きく貢献しているという観点から、ここでは販売=MRと記載いたします。)

このように、自己完結型であった製薬企業の多くが、商社型へと変貌していることが分かります。これによって、製薬業界は分業化へと進んでいることがお分かり頂けたのではないでしょうか。

分業化が進んでいる今、どのようなキャリアを描きたいかによって、所属すべき企業が変わると考えています。

自分のRoleを変えるには、規模のある製薬企業に行く必要がある

「将来は違う部署に行きたい」

「複数の部門を横断的に関わりたい」

という考えをお持ちの方は、規模のある製薬企業に行く方が望ましいと思います。

なぜなら、分業化が進んでいるとはいえ、製薬企業内に各部門は現存し、相互にリンクし合っているからです。(これも商社化しているといわれる理由の1つです。)

製薬企業内で数年働けば、部署異動のチャンスが必ず来ますので、その少ないチャンスを確実にモノにするためにも、製薬企業で勤めることをおススメします。

一方、ベンチャー企業においては、部署異動の可能性は低いと考えてもらった方がいいかもしれません。

ベンチャーは基本的に即戦力のみを必要としており、新たな人材を育てる余裕がないのが実情だと思います。。。

ベンチャー界隈では、PJ終了後に別のベンチャーへ転職することが当たり前になる

上でも少し言及いたしましたが、ベンチャーでは、特定の分野に強いスキルを持っている人を求めています

でもこれは、当たり前だと思います。

勿論新たな人材を育てる余裕がないというのも理由の1つですが、その原因はスピードを緩めることができない状況だからだと考えています。

なぜ大手の製薬企業がベンチャーからシーズを買い取っているのかというと、最新の技術を1から学習し、事業化するのには時間がかかりすぎるからです。

そこで、大手製薬企業は時間短縮のため、尖った技術を持つベンチャーごと買収するか、シーズを買い取るという作戦に出ているのです。

今でこそ、自社開発よりも他社からシーズを買い取った方が費用対効果が高いという考え方が一般的ですが、かつては技術の習得がメインだったのではないかと思います。

いずれにせよ、規模の小さいベンチャー企業にとって、スピード感が極めて重要視されていることは間違いありません。

このような背景があって、ベンチャー企業では即戦力となる人材が求められています。

逆に言えば、ベンチャー界隈において、特定の分野に強いスキルを持っている人は重宝され、活躍の場が広がってきているといえます。

特に近年、ベンチャー発の開発品目が、全体の7割を占めているということが明らかになりました。
(こちらに関しては、「【医薬品業界】全世界における開発中製品の7割が、製薬ベンチャー発である!」の記事をご覧ください。)

創薬研究、開発の中心はベンチャーへ移ってきていることがお分かり頂けると思います。

そして、ベンチャー界隈では、即戦力が求められている。。。

一般に創薬研究は3~5年、開発は5~7年ということを考えると、担当のPJが終了する度に、自分の強い領域を取り扱う他のベンチャーへ転職する人が増えるのではないかと思っています。(最近は転職へのハードルも低くなってきているのも、後押しする要因の1つだと思います。)

ベンチャーで専門性を高めていく人は、新規PJの度に専門性をさらに高め、創薬研究の職人化していくと思っています。そして、職人レベルのスペックを活かして、他のベンチャーへとさらっと転職していく。

こうやってベンチャー界隈では人材が流動的に動いていくのではないかと思っています。

Answersによると、2018年9月現在の製薬業界の求人情報が、以下のリンクに載っていました。

[バイオベンチャー]採用ニーズは高まる傾向―研究職から開発・CMCまで|製薬業界 転職市場トレンド(2018年9月) | AnswersNews
製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。

特筆すべき点は、「前月比で薬理研究全体の求人が19%減少」「しかしバイオベンチャーの求人は研究職が中心」の2点だと思います。

前月比の情報しか得られていないという前提はあるものの、「創薬研究、開発の中心が少しずつベンチャー界隈へ移動し始めている可能性」がありますので、引き続き動向を追っていきたいと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。

勿論ここでお話したことが全てではなく、大手製薬企業で専門性を高めることもできるし、ベンチャー企業で部門横断的に関わることもできると思います。

しかし、可能性の高さで考えると、大手製薬企業⇒部署移動・部門横断的な仕事、ベンチャー⇒専門性を高める、ことは間違いないのではないかと思っています。

例外があることは重々承知ですが、自分の描くキャリアのために、会社を使い倒せる人材になりたいと思います。

「会社のため」ではなく、「自分がやりたいことをやる」ために、会社を利用するくらいの気概でいきましょう!!

「自分がやりたいこと」を明確化・言語化するためには、人と話すことが一番簡単です。

そのため、私は転職エージェントとお話することをおススメしています。

「すぐに転職する予定はないが、話を聞いてみたい」スタンスで登録をすれば、強引に転職を勧めてくることもありませんし笑

転職エージェントと話をしてみたいと思われた方は、「【医薬品業界/3分でわかる】転職活動準備は最大のリスクヘッジ!求人を網羅するためのおススメ転職サイト3選」、「【初めての転職希望者向け】転職の流れを分かりやすく説明します」の記事も参考にしてみてください!

それでは、最後に3行まとめを書いて終わりたいと思います。

・業界全体として、自己完結型から分業型へ移行している
・自分のRoleを変えるには、規模のある製薬企業に行く必要がある
・ベンチャー界隈では、PJ終了後に別のベンチャーへ転職することが当たり前になる

ではではまた~~。

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