こんにちは。なーとし(@naaaaaaato2018)です。
さて今回は、全世界で開発中の品目のうち、7割がベンチャー企業発であるという事実について、データを踏まえながら紹介していきたいと思います。
創薬の中心が、メガファーマからベンチャーへと変化していく時代に立ち会えて、非常に嬉しいです!
以下、3行まとめです。
・全世界で開発中の品目のうち、7割がベンチャー発である
・Phase3を独自で行うベンチャーも3割を占めている
・Oncology領域においては、半数のベンチャーが独自に開発を行っている
それではさっそく本論にまいりましょう。
全世界で開発中の品目のうち、7割がベンチャー発である
初めに、ベンチャーの定義を確認します。
この記事内におけるベンチャーの定義とは、売上が10億未満の企業のことを指しています。 |
さて、前提条件を確認の上、さっそくまいります。まずは、以下のグラフをご確認ください。
(Emerging Therapeutic Company Investment and Deal Trendsから引用)
ベンチャー企業が開発中の品目の総数は、4763個に上り、全体の71%を占めています。
やはり、Phase2⇒Phase3への移行のタイミングで、大きく開発品の数が減少しています。移行率の平均は30.7%ですので、今回の結果もほぼ同様でした。
(臨床試験の成功率にかんしては、「【医薬品開発】臨床試験から承認までの成功率は9.6%!?」の記事をご覧ください。)
また、非常に興味深いのは、いわゆるメガファーマのPhase3の数は、ベンチャー企業とほぼ同数である点でしょうか。
高い確率で開発品目をPhase3、承認まで持っていく力は、さすがメガファーマといったところでしょうか。目利きや開発戦略において、一日の長があることを感じさせるデータでした。
Phase3を独自で行うベンチャーも3割を占めている
(先ほどと同様のグラフです)
(Emerging Therapeutic Company Investment and Deal Trendsから引用)
Phase3を独自で実施しているベンチャーが全体の3割を占めるという点も、非常に興味深いです。
個人的な見解で恐縮ですが、前臨床、Phase1、Phase2の段階で、ベンチャーはメガファーマへ開発品を導出するのが王道だと思っていました。(Phase3でかかる多額の費用、失敗の可能性を考慮すると、遅くともPhase3前の導出が採算に合うと考えていたため。)
Phase3後の導出なのか、もしくは自社販売も考えているのか。。。。このあたりに詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示頂けますと幸いです。
医薬品業界のプレイヤーの変化については、「今後の医薬品業界は(創薬)ベンチャーと(商社化した)メガファーマが増えていく!?」の記事でも触れていますので、ぜひご覧ください。
Oncology領域においては、半数のベンチャーが独自に開発を行っている
以下の表をご覧ください。
(Emerging Therapeutic Company Investment and Deal Trendsから引用)
ベンチャー企業が開発しているOncology領域の品目に関しては、半数が独自に開発していることがわかりました。
これも私のこれまでの考えと異なっていたため、非常に驚きでした。。。。
ベンチャー企業の多くは、アカデミア発の革新的な技術をベースにした創薬、標的遺伝子をターゲットにした薬剤が、パイプラインになっていることが多いです。
そのため、ベンチャー企業は臨床試験に明るくないケースが多いですので、CROのサポートは非常に重要なポイントとなってきます。この点は、「CROは医薬品シーズを探すことも大事!?」の記事で言及しておりますので、気になる方がいらっしゃれば、ぜひご覧ください。
最後に
ベンチャー企業の数は年々増加していると聞きますし、ベンチャー発の新規医薬品がブロックバスターとなりうるのは非常に未来があります。
何より、革新的な技術をベースに創薬している企業が多いので、「その技術半端ないって!!」となるのが個人的には非常に面白いです。
一方、大規模な製薬企業が高効率で上市しているのはさすがの一言ですね。開発戦略やCROマネジメント等、経験がいい形で蓄積されているのを垣間見ることができました。
医薬品業界は非常に楽しみなので、経過を今後も追いかけていきたいと思います。
それでは、最後に3行まとめを書いて終わりたいと思います。
・全世界で開発中の品目のうち、7割がベンチャー発である
・Phase3を独自で行うベンチャーも3割を占めている
・Oncology領域においては、半数のベンチャーが独自に開発を行っている
ではではまた~~。
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