治療薬の効かない”がん”がなぜ多いか(後編)

さて、前半の続きを説明してみたいと思います。

前半の記事は、「治療薬の効かない”がん”がなぜ多いか(前編)」をご覧ください。

がんの”多様性”とは、、、?

多様性:いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。by デジタル大辞泉

がんの発生の原因って、私たちのもつ遺伝子に傷が入って(変異といいます)、細胞が好き勝手に増殖してしまうことと言われています。

がん細胞の多様性とは、同じ人のがん細胞中に、いろんな遺伝子変異をもつがん細胞が混在していることを示しています。

例をあげましょう。

 

こちら、あのNatureさんからの論文です。

[blogcard url=”https://www.nature.com/articles/d41586-018-03841-x”]

何を示しているかといいますと、同じ患者さんの大腸がんから、4回細胞を採取しました(4つとも違うとこからとります。右上、左上、右下、左下みたいな笑)

4つの細胞片からDNAを抽出し、遺伝子変異の様子を解析しましたところ、先ほどの樹形図のような結果が得られたのです!!!

これは正常細胞から、だんだん、赤→紫→青 or 黄色と遺伝子の変異が増えていっていることを示しています。

このように同じ患者の同じがん細胞の中に、様々な遺伝子変異を持つ細胞が混在しているのです(多様性)

だから、この中の一部には代謝拮抗薬に耐性があるもの(細胞増殖が遅いものとか)もいるし、分子標的治療薬に耐性のあるもの(標的遺伝子が発現しなくなるとか)もいるため、なかなか効きにくいのが現状です。

がんの早期発見が大事なのは、これが理由です。多様性を作られると大変ですし、腫瘍が小さければ、手術で取り除くことができます。

ではもう打つ手はないのか、、、、

そこで新たに登場したのが免疫療法です!!最近はやりですね~~~

結局、免疫とは自分と異なるもの(異物)を認識して、破壊するものなんですよね、ざっくりいうと

なので、変異が蓄積している細胞(上図でいう青や黄色)に効きやすくなります

実際、変異含有率と免疫療法薬の効果に正の相関があることも報告されています。

じゃあ、これで十分かというとそうでもないのです。。。。

まだまだ免疫療法は開発途中で、わからないこともたくさんあります。効果も個人差が激しいのが現状です。

ただ、選択肢は広がり、がんの多様性へ対応するアプローチも少しずつでてきました。

そして、最近は免疫療法をさらに改良し、ネオアンチゲンを用いた免疫療法も生まれてきています。(ネオアンチゲンについては、以下の記事をどうぞ!!)

[blogcard url=”https://naaaaaaato.com/2018/05/13/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%B0%86%E6%9D%A5%E6%80%A7%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/”]

がんが治る世界がくると信じて、これからもお仕事がんばります~~

ではでは。

 

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