こんにちは。
今回は、臨床試験は薬剤の価値を高める重要なフェーズあるということについて、お話をしていきたいと思います。
以下3行まとめです。
それではさっそくまいりましょう。
製薬企業は似通った薬を開発して、競争しているのが現状である
最近似たような作用機序を持った薬が増えてきたと思いませんか?
なぜ改めてこんなことを思ったかというと、こんな記事を読んだからです。
記事の内容を大雑把にまとまめると以下のようになります。
となります。
もちろん患者さんにとっては、望ましい状況であることは間違いありません。
一時的には。。。。
一時的にといっているのは、主に費用面ですね。研究開発費が年々高騰しているため、その分薬価も高騰します。薬価の高さは既に日本経済を圧迫しているため、今後大幅な改革がされることは間違いないでしょう。
(そして、この医療制度には、予防医療やIoTを駆使した健康管理をどの程度実施しているかが組み込まれてくることは間違いないと思います。)
まとめると薬価の高騰は自分の首を絞めかねないということですね。使える薬剤が合っても高すぎて使えないという現実が、このままだと確実にやってきます。
でも、製薬会社側も必死に患者さんを救おうと研究開発に勤しんでいるので、なかなか難しいところではありますよね。
製薬会社の苦悩の結果、薬剤のシーズを自社開発でなく、他社からの導入品で確保する傾向が強くなっています。詳しくは、「今後の医薬品業界は(創薬)ベンチャーと(商社化した)メガファーマが増えていく!?」をご覧ください。
ただ、先ほどの記事を読んで私が思うのはですね。
「こんなに似たような薬たくさん開発する必要ある!!??」
って話なんです。
1番初めに開発に成功すれば、それは注目されますし、大量に処方されますから大成功だと思います。
しかし、10番目とかになってくると、その価値やいかに、、、という状況にもなってくるわけです。
でも、どこの製薬会社も途中まで来たら、薬剤の開発止められないと思うんです。そういう時に、今後より重要になってくると思うのが、
「似た作用機序を持つ薬に対して、どのような優位性を持たせるか」
をしっかり明示することが大事だと思います。
臨床試験のデザインで他社の競合薬と差別化を図ることが大事
「似た作用機序を持つ薬に対して、どのような優位性を持たせるか」が非常に重要だというお話をしてきました。
いい例が、オプジーボ(小野薬品)とキイトルーダ(メルク)の比較だと思っています。
オプジーボは世界初の免疫療法薬として注目を浴び、小野薬品はこの世の春を謳歌したと思います笑
そして、オプジーボが上市されてしばらくたってから、キイトルーダが上市されました。
しかし、それは今後逆転すること間違いなしです。
キイトルーダ:併用薬化学療法(薬価低い)で有効性示す
(もちろん単純にキイトルーダの方がすごいという話もありますが笑)
臨床試験は化合物に意味づけする重要なフェーズである
これまで、「臨床試験のデザインやコンセプト次第で、同じ作用機序の薬剤でも市場の評価は変えられる」というお話をしてきました。
そして、免疫療法に限らず、今後(既に)多くの疾患分野において、同様の作用機序を有する薬剤が、世界同時的に開発されてきています。
この競争を勝ち抜くには、スピード感だけではなく、他の薬にはない独自の強味を持つように化合物に価値をつけてあげないといけないんです。
(勿論、臨床試験のデザインを組むために必要なデータを収集するので、コンセプトの設計は研究の初期から考えていなくてはなりません。)
まさに臨床試験はサイエンスとビジネスの両輪で成り立っているといえます。
以上まとめますと、、、、
同様の作用機序を持つ薬剤が世界同時的に開発されることが当たり前であるため、臨床試験のデザインを工夫することで、更に価値を高めることが非常に重要だ!!!
それでは、最後に3行まとめを振り返りましょう。
・臨床試験は化合物に意味づけする重要なフェーズである