これからの”がん治療薬”について(エピジェネティクス薬編)

こんにちは。

今回は、今後開発が期待されるがん治療薬の一つとして、”エピジェネティクス薬”のお話をしていきたいと思います。

以下、3行まとめです。

・エピジェネティクスは遺伝子の発現のON/OFFを調節する
・エピジェネティクス変化の異常は、様々な疾患の原因となりうる

・現在市販されているエピジェネティクス薬もあるんです!

それではさっそくまいりましょう。

(尚、今後開発が期待されるがん微小環境に対する薬剤の話については、「これからの”がん治療薬”について(間質細胞編)」をご覧ください。)

エピジェネティクスとは??

以下のリンクですごい丁寧に説明してくれています(いきなり人任せ笑 でもそれくらいわかりやすい記載なのです。。。)

[blogcard url=”https://www.terumozaidan.or.jp/labo/interview/07/03.html”]

でもせっかくなので、少し自分でも説明してみたいと思います。

私たちの体はDNAの情報を元に構成されています。つまり、私たちの体を構成するもの(脳、心臓、肝臓、手、足、、などなど)は、元は同じDNA情報を元に作られているのです。

では同じDNAから、どうやって色んな部位を作っていくのでしょうか?

それを調整するのがエピジェネティクスなんですね。

私たちのDNAには全ての情報が入っています。その中で、心臓になる細胞には、”心臓になる遺伝子”だけが発現するように調整する働き自体を”エピジェネティクス”と呼んでいるのです。(イメージはスイッチのON/OFFみたいな感じです。)

つまり、エピジェネティクスを調整することで、私たちの体が作られているのです!!!

エピジェネティクス変化の異常は、様々な疾患の原因となりうる

エピジェネティクス的な変化によって、私たちの体は構成されているというお話をしてきました。

逆に考えると、エピジェネティクス的変化に異常が起きると、様々な病気を発症してしまうということなんです。

エピジェネティクスは本当に色んな疾患の一因であることが報告されておりますので、ここでは一例を紹介させて頂ければと思います。

1)老化

[blogcard url=”https://twitter.com/naaaaaaato2018/status/980353838782689282?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.mu%2Fnaaaaaaatp2018%2Fn%2Fn9d05ef8d9ee3″]

2)肥満

[blogcard url=”https://twitter.com/naaaaaaato2018/status/987885658092916736?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.mu%2Fnaaaaaaatp2018%2Fn%2Fn9d05ef8d9ee3″]

3)がん

[blogcard url=”https://twitter.com/naaaaaaato2018/status/989094928302182402?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.mu%2Fnaaaaaaatp2018%2Fn%2Fn9d05ef8d9ee3″]

がんが発生する原因として、遺伝子に’傷’が入ってしまうことで、細胞が異常に増殖してしまうことが挙げられると聞いたことがある人は多いと思います。

しかし、最近の研究では、がんが発生する前の”前がん病変”と言われる段階から、エピジェネティクス的変化の異常が起きていることが報告されています。

ということはエピジェネティクス的変化の異常を解消すれば、がんの発生や進展を抑制することができますね!!

エピジェネティクス薬は実は既に市場に出ている

そうなんです。

臨床試験とかでもなく、既にエピジェネティクス薬は市場に出ているんです。

以下に一例を挙げさせて頂きますね。

HDAC阻害剤(ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤)

[blogcard url=”https://ganjoho.jp/public/dia_tre/medicine/anticancer_agents/data/vorinostat03.html”]

一般にヒストンがアセチル化されると遺伝子の発現は亢進します。

DNAメチル化阻害剤

[blogcard url=”https://ganjoho.jp/public/dia_tre/medicine/anticancer_agents/data/azacitidine01.html”]

一般にDNAがメチル化されると遺伝子の発現は抑制されます。
がん抑制遺伝子として有名なp21の発現はDNAのメチル化によって制御されていることが知られています。

さらに、DNAメチル化阻害剤が、免疫系の活性化を促すことも明らかになっています。

[blogcard url=”https://twitter.com/naaaaaaato2018/status/968085134825025536?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.mu%2Fnaaaaaaatp2018%2Fn%2Fn9d05ef8d9ee3″]

(ものすごいマニアックな世界になってきましたが、簡単に概要を説明いたします。私たちのDNA内には、実はレトロウイルスというウイルスの塩基配列が組み込まれています。通常時はレトロウイルスに関する塩基はメチル化されており、発現はしません。しかし、DNAメチル化阻害剤に暴露されることで、内在性のレトロウイルスに関する遺伝子も発現するようになります。これにより細胞がウイルスに感染したとみなされ、自己防衛反応が起きるという仕組みです。)

特に最近は、”臓器ごとではなく、がんの性質ごと”に薬剤の申請をすべきではないかという流れも生まれています。

エピジェネティクス薬は、疾患横断的に活躍できる可能性のある薬剤です。エピジェネティクスに関する基礎研究や臨床研究が進んでいくことで、がんだけでなく多くの疾患に対する有効な新薬が生まれてくると思います!!

そんな未来に期待しています。

それでは最後に3行まとめを書いて終わりたいと思います。

・エピジェネティクスは遺伝子の発現のON/OFFを調節する
・エピジェネティクス変化の異常は、様々な疾患の原因となりうる

・現在市販されているエピジェネティクス薬もあるんです!

(尚、今後開発が期待されるがん微小環境に対する薬剤の話については、「これからの”がん治療薬”について(間質細胞編)」をご覧ください。)

ではではまた~~